磁気はこんなところにも

身近なところで磁気が大活躍!

CASE.01

MRI(核磁気共鳴画像法)

MRIとは、magnetic resonance imagingの略で、日本語では「核磁気共鳴画像法」と呼ばれています。
人間の体の多くは水分でできており、また水分に含まれる水素原子の原子核は一つ一つがとても弱い磁気を発しています。MRIでは、この水素原子の原子核に電磁波を当てることで検査をします。体を磁場の中に入れ、高周波の磁場を加え、体から跳ね返ってくる情報を元にコンピューターが画像を作成します。

CASE.02

リニアモーターカー

車両に搭載した超電導磁石と地上に取り付けられたコイルとの間の磁力によって、浮上して走る鉄道車両です。
ある物質を一定温度以下にしたとき、電気抵抗がゼロになる現象を超電導現象といいます。超電導状態となったコイルに一度電流を流すと、電気抵抗がないため電流はコイルの中を半永久的に流れ続け、強力な磁界が発生します。超電導リニアはこの超電導磁石を搭載し、ガイドウェイに取り付けられた地上コイルとの磁気相互力により、浮上します。さらに地上の推進コイルに電流を流すことにより磁界(N極、S極)が発生し、車両の超電導磁石との間で、N極とS極の引き合う力と、N極どうし・S極どうしの反発する力により車両が前進します。

CASE.03

スピーカー・ヘッドフォン

スピーカーの音が出る部分には、コイルとそれを囲む磁石があります。音は電流となってコイルに流れ、コイルが周りの磁石と引き合ったり、反発し合ったりすることで、上下に振動します。その動きが、スピーカーの膜に伝わり、振動します。それが、周囲の空気を震わせ、音となって聞こえるのです。
ヘッドホンも仕組みはほぼ同じですがスピーカーと異なり、音を生み出す部分が耳の近くにあるため、小さい振動でもしっかりと伝わります。

CASE.04

電子レンジ

電子レンジは電磁波の電界成分を利用した加熱装置で、飲食物に含まれる水分子の集団に直接エネルギーを与え温度を上げます。
水素と酸素がV字形に結び付いた水分子に電磁波をあてると、水分子は向きを変化させます。この向きの変化で水分子が振動し、熱が発生します。この熱は水分子集団自体にエネルギーを与えることにより発生させていますので、外から熱する場合と仕組みが違います。
加熱するものの内側も外側も同じように加熱することが出来ますので、加熱する時間が短く済むのです。

ちなみに生物にも磁気感覚が...!!

渡り鳥など一部の鳥はかなり正確な方向感覚を持っていますが、これは渡り鳥が磁場を知覚できるからだと考えられています。その網膜に「クリプトクロム」という青色光受容体が含まれており、その生化学的反応で弱い磁場変異でも感知できると言われています。こうした磁気感覚は、鳥だけでなく、ゴキブリなどの昆虫やカメなどにも見られ、ショウジョウバエがクリプトクロムで磁場を感知したという研究もあります。また、新たな研究で、犬やオオカミなどの哺乳類にも、この仕組みを持つ動物がいることが明らかになってきました。これらの動物も、磁場を知覚する能力を持っている可能性がありそうです。